加盟店オーナーはライバルではなく仲間です。「人助け」を仕事にした理由とは
個人加盟店舗 本牧店(神奈川県) 大溝さん
- 加盟年度
- 2019年3月
- 売 上
- 1,500万円(2020年)
- 運営形態
- 個人
- 前 職
- 会社員(港湾での重機オペレーター)
Q1.独立・開業のきっかけを教えてください
前職では、1年ほど単身赴任していました。赴任先は茨城県で、夜になると毎日テレビ電話で子供たちとコミュニケーションを取っていました。車で片道2〜3時間の距離を運転して、月に3、4回は自宅に戻る生活をしましたが、長期になるにつれて「これはちょっとちがうな」と感じ、退職を決意しました。
最初はもう一度会社員になるつもりでした。しかし「どうせなら」と一念発起し、独立開業できる業種を調べ尽くして、家工房にたどり着きました。
Q2.数あるフランチャイズチェーンの中から家工房を選んだ決め手は何でしたか?
家工房の説明会に行き、本部の方からマンツーマンで話を伺ったのですが、その席で、実は私が「最初の加盟店になる」という話を聞いて、ワクワクしてしまったんです(笑)
せっかく起業を決意したのに、大きなフランチャイズでは会社員と大差ありませんよね。本部の方の説明も丁寧でしたし、信用できそうだと感じました。それ以来、家工房の成長を感じながら働いています。
もうひとつ、別の理由もありました。それはおじいちゃん、おばあちゃん相手の仕事で、需要があると感じられたからです。
私の住まいのある本牧は古い町で、昔から住んでいるお年寄りがたくさんいます。高齢になるとできなくなることが増え、その結果「困りごと」が発生します。手を付けられないまま傷んだ家も見かけます。
「おうちの御用聞き」という家工房の仕事は、人助けにもなりますし、ご飯が食べられなくなることはないと感じました。
また、家工房では受け持ちのエリアが確保されていますから、ほかのオーナーと仕事の取り合いになる心配もありません。「加盟店オーナーはライバルではなく仲間」という感じで、そこも良いと思いました。
Q3.本部からのサポートはどのようなものがありますか?
最初に研修がありますが、スパルタで教えられるようなことはありませんでした。独り立ちした後もSV(スーパーバイザー)に連絡を取れば、助けてもらえます。
SVは何名かいますが、若い人も含めて仕事ができる方が揃っていると思います。彼らは仲間として教えてくれますし、難しい相談に対して「わからない」と突き返されることもありません。必ず調べて折り返し連絡をしてくれます。
今でもときどき対処に迷うことがあり、SVには電話でお世話になっています。本当に良い人たちばかりです。深夜、冷やかし半分に電話をしても「勘弁して下さいよ」と言いつつ、ちゃんと電話の相手をしていただくなど、良い関係を築いています。
Q4.お客様に家工房を知ってもらうために、どうやって集客していますか?
自分では営業していません。家工房の折込チラシのみです。
折込チラシも自分ではポスティングせず、全部本部にお任せです。デザインや文言の要望を伝えるくらいのことはしますが、基本は丸投げにしています。
折込チラシでの集客だけで、十分に依頼がきます。なんだったら折込チラシだけで運営するケースのモデルになれるかもしれません。(笑)
仮にインターネットで集客したら面白味がありませんし、モデルケースにもなれません。
そもそも、高齢者はインターネットを使いません。10年後はともかく、いまは60代の方でもまだ折込チラシの方をよく見ていると思います。
インターネットに広告を出すと費用が掛かりますが、時期尚早で、費用に見合ったリターンはないと感じています。
Q5.お客様と接するとき、意識していることはありますか?
お客様に対して気を付けていることは、よく話をすることです。
スルスル話が進んでいくと、相手と自分の間に認識のズレができていることに気が付かず、トラブルになるかもしれません。きちんと話をしておけば、クレームにはなりません。
ですから、行き違いを防ぐために、お客様とは前もってよく話しておく必要があります。
例えば、庭木の伐採がトラブルにつながることがあります。
ご高齢になって枝の剪定ができなくなったため「木を切ってくれ」と依頼される方がときどきいらっしゃいます。
しかし皆さん、木に思い入れがあるのです。何十年も生えていた木であればこそ、切ると寂しくなるわけです。ですから「いいから切って頂戴」と言われるまで、何度も確認します。こういうことが大切だったりします。
Q6.技術面で気を付けていることはありますか?
できないと思ったことは絶対にやらない、ということです。
家のリフォームや塗装などの大きな案件は、自分では施工せずに現場管理に徹して、実作業は職人に任せることもあります。
もし「自分では手に負えない」と思ったら、外注に出すという選択肢も含めて「できる人」を探します。
お客様はどこに相談したら良いのか分からず、困って連絡してくださったのですから、自分が窓口になれば良いのです。つまり、必ずしも自分で作業しなくても大丈夫です。
また修理のご相談に対して、専門業者が「交換した方が良い」とアドバイスしたとしても、お客様のご要望通りに修理する方向を探っていると、誰かしら直してくれる人が見つかるものです。
重要なのは、技術力よりも「お客様の気持ちをくみ取って解決してあげること」だと思います。
Q7.家工房で仕事をしていて、印象的なエピソードはございますか?
開業初期の頃、雨どいの詰まり抜きのご依頼がありました。高所作業には需要があるのですが、当時はハシゴを持っておらず、本当に困りました。
SVに連絡したところ、ハシゴを用意してくれて事なきを得ましたが、かなり深刻な詰まり具合でした。これに懲りて、ハシゴも脚立も買いましたが、じつは高い所は苦手です(苦笑)
Q8.やりがいを感じるときを教えて下さい
おじいちゃん・おばあちゃんからいただく、「ありがとう」の声ですね。
例えば、ご高齢になると重いものが持てなくなります。「灯油缶(ポリタンク)買ってきて」と頼まれることがありますが、重さは標準サイズの18リットルで約15.5kg(満タンの場合)。一度に2缶、多いと3缶頼まれます。
このようなケースはいわば「気軽なお使い」ですから、大きな儲けにはなりません。しかし、お客様の感謝の声が聞けます。世の中に貢献していると感じられますね。
Q9.家工房に加盟してからの変化を教えて下さい
Q9.家工房に加盟してからの変化を教えて下さい
プライベートに関しては、家にいる時間が増え、子供たちと向き合えるようになりました。仕事が入ってくるまで自宅にいて、作業が終われば帰ります。
疲れて帰ってきて、気がついたらいつの間にか道具が片付いているなど、家族のサポートには感謝しています。本当に忙しいときは、妻が手伝ってくれることもありますね。
自分でスケジュールが組めるので、自由が利くところも良いと思います。
仕事に関しては、会社のバックアップなしに自力で便利屋を開業しようとすると、道具や材料、知識などを自前で用意しなければなりません。その場合、かなりの手間と出費が必要になったと思います。
対して、家工房では短期間でノウハウも道具も全て揃えてくれます。私の場合は、本店が開業してまだ半年しか経っていなかったため、初期メンバーならではの苦労もありました。
しかし、足りない部分を熱心なSVたちにカバーしてもらえたことで、大いに助かりました。
ほかに良かった点は、営業があります。家工房では折込チラシだけで集客できるので、本当に楽です。「リフォーム案件をとって来い」などと強制されることもありません。そこも助かっています。
Q10.今後の目標や展望を教えて下さい
まだ埋まっていないエリアがあるので、エリアを拡大していきたいなと思っています。人の助けがあれば、事業の拡大も狙えるはずですので、挑戦していきたいです。
Q11.今後の課題と感じていることがあれば教えて下さい
職人さん的な知識をきちんと身につけて、できることを増やしていきたいです。
家工房のオーナーには、クリーニングが得意な人、リフォーム関係が得意な人、補修が得意な人など、さまざまな人が集まっています。
私が得意なのは、雨どいの補修やメンテナンスなどの高所作業です。高いところは苦手なのですが、数をこなしているうちに得意になっていました。
Q12.家工房の将来性について、どのように感じていらっしゃいますか?
間違いなく、将来性があります。家工房の仕事は、言ってみれば「御用聞き」です。ご高齢になると年々思い通りに動くことが大変になっていきますので、現在60代のお客様は、70代になっても利用していただいていると思います。
重要なことは「お客様の印象に残っているか」ということでしょうね。リピーターでなくても、口コミで広まっていけば充分な集客になります。
Q13.この仕事に向いている人は、どんな人だと思いますか?
おおまかに言ってしまえば、誰にでもできる仕事だと思います。
加盟店オーナーにはさまざまなタイプの人がいるので、共通点を見出しにくいのですが、あえて言えば「性格が良い人」ということになるのかもしれません。接客業的な側面がありますので、温厚な人の方が良いと思います。性格は大事ですね。
Q14.これから起業しようとしている方へのアドバイスやメッセージなどはありますか?
私は前職がサラリーマンでしたから、フランチャイズの自営業に警戒心がありました。しかし、実際のところはやってみなければ分からないのではないでしょうか。自分の体験から「やって考える」という順番で、できると感じています。
家工房の主な仕事は、ちょっとした補修や庭の草刈り、木の剪定、伐採などが中心です。体が弱ったお年寄りの方の代わりにやってあげるような作業が中心ですから、おじいちゃん、おばあちゃんの話を聞いていればできることが多いです。
リフォーム案件は金額が大きくなり、仕事が面白くなってきます。
まずは説明会に参加して話を聞き、ご自身の希望と家工房の事業がマッチしているか、確認してみるのも良いのではないでしょうか。