コロナの影響で本業の収益が激減。新たな収益の柱として「家工房」に辿り着きました。
法人加盟店舗 亀岡店(京都府) 有限会社ケイ・エス・ケイ 楠さん
- 加盟年度
- 2021年7月
- 売 上
- 家工房部門 年商1,300万円(直近1年間)
- 運営形態
- 法人
- 前 職
- 新聞販売店経営
Q1.独立・開業のきっかけを教えてください
1番の大きなきっかけは、コロナでした。当社は新聞販売店を経営していますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、事業収益の大きな柱となる新聞折込が激減しました。なかなか終息が見通せない中、売上は減る一方でここで何か手を打たないと取り返しがつかなくなる。という危機感から新たな収益の柱を模索し始め「家工房」に辿り着いたのがきっかけです。
Q2.他に検討したフランチャイズはありますか?
コロナ禍ということもあり、会場に出向いての事業説明会でなくWEBでの説明会参加が容易になったため、介護、フィットネスジム、飲食、美容、配送等ジャンルを問わず、情報収集も兼ねて数社の説明会に参加しました。
Q3.数あるフランチャイズチェーンの中から家工房を選んだ決め手は何でしたか?
まずは大きな設備投資がいらない事。もちろん開業資金としてFC加盟金や各種道具類を揃える費用は掛かりましたが、不動産や大きな機械類に費用がかからない事が1番でした。そして、この事業の経営モデルも自分に合っていると判断した為です。
私は28歳から地元の青年会議所に所属し、幅広い業種の友人、知人が多くいます。自社施工が出来ない案件に関してもこれまで築いたネットワークを活用し様々な案件に対応出来ると考えたからです。また、高齢化が進むエリアに住んでいるので今後需要はさらに増えていくであろうという期待も込めてという感じです。
Q4.営業や施工経験はありましたか?それとも初めてでしたか?
営業に関しては、新聞の訪問営業の経験があり、施工経験は全くなく当初は不安だらけでした。
Q5.家工房の他に、現在行っていらっしゃる事業はございますか?
新聞販売店を経営しています。主な取扱紙としては京都、毎日、産経、日経、各種スポーツ紙で、約3,700件の読者宅に毎朝新聞を届けています。新聞購読料と新聞折込の売上が主な収入源の商売ですが、ネットによる情報収集が容易になった昨今若年層の新聞購読率は低く、年々購読者は減少傾向にあり、コロナによって減少した新聞折込の問題と共に非常に厳しい現状です。
Q6.本部のサポートはどのようなものがありますか?
全く現場経験のない私にとって、まずは研修が非常にありがたかったです。そしてSVに店舗まで来ていただいての開業支援も心強かったです。開業に向けて色々と準備は進めていましたが、やはり不安な事も多く経験豊富な方がそばにいてくれるので安心して開業することができました。
Q7.お客様に家工房を知ってもらうために、どうやって集客していますか?
主に新聞折込で周知しています。過去に訪問したお宅では、「何かあったら頼もうと思ってたんや。」とチラシを残して頂いている所も多くありました。また、新聞を購読されてないお宅に対してはポスティングにてチラシ配布を行っています。
Q8.お仕事のやりがいを感じるときを教えてください
奇麗ごとになってしまうかもしれませんが、やっぱりお客様の「ありがとう」や「お宅に頼んでよかったわ」という言葉を頂いた時です。お客様の中にはどこに頼めばいいかわからない方や、どうすればいいかわからない。という方が多くおられます。
その方たちの悩みを解決できた時はやはり気持ちいいですし、次も頑張ろうという気もわいてきます。
Q9.経営を安定させるためのコツなどはありますか?
やはり初回の訪問が重要だと思います。悪い印象を与えたり、いい加減なことをしてしまうと受注できないだけでなく、悪い噂もたってしまう可能性もあります。よって、初回訪問時は特に気を付けるようにしています。
また受注後は丁寧に説明を行い、しっかり仕事をしてリピーターに繋げる事が重要だと思います。新規の顧客獲得も大切ですが、定期的に注文をいただけるリピーターを作ることが、経営安定の大きな要素になると思います。
Q10.仕事をする際に、気をつけていることはありますか?
身だしなみはもちろんですが、大きな声で話すよう心がけています。高齢者は耳が遠いということもありますが、何より小さな声でごにょごにょ言っていたら、自信がないように聞こえますし、不安を与えてしまうかもしれません。
だから非常に単純なことかもしれませんが、大きな声ではっきりと話すよう心がけています。
Q11.家工房に加盟してからの変化を教えてください
開業当初は正直、不安も大きかったですし続けていけるんやろか?というネガティブな考えでした。また、とりあえず人を雇ってその人に任せたらどうにかなるやろうという甘い考えを恥ずかしながら持っていました。
しかし、続けていくうちに加盟金やその他諸々の費用が発生している中で、今更後にも引けへんし、ともかく前に進むしかないし頑張ろう。という前向きな考えに変わりました。また、まずは自分がこの仕事を知らなければ、人を雇っても教えることも出来ひんし、とりあえず自身がしっかり経験して自信をつけてから人を雇おう。という考えにも変わりました。
元々現場作業は好きな性格だったので、今では自社施工案件はもちろんですが、外注案件に関しても担当者と色々と意見を交わしながら案件に対応し、お客様に喜んでもらえるのが、楽しくなっている自分がいます。
Q12.今後の目標や展望を教えてください
今は私とスタッフ1名でこの仕事に従事していますが、近い将来専属の社員を入れてこの部門を任せて、私は新たな収益の柱となる事業を模索し、会社としての事業拡大を目指しています。
Q13.そのような目標を実現するために、課題と感じていることがあれば教えてください
専属の社員を入れるためには、安定的な売上を創出することが必要不可欠です。現状売上が多い月もあれば、少ない月もあります。まずは毎月の売上の安定を図ることが重要な要素になると思います。
あとは、少ない人数で事業を行っているので、怪我をした際等は一定期間仕事がすることが出来なくなるので今のところはないですが、そういった事に直面した際有効な手立てを確立しておくことも必要だと思います。
Q14.家工房の将来性について、どのように感じていらっしゃいますか?
これから需要が増していく業界であると思います。やり方次第で大きな成果を生むことも可能であるとも思います。
しかしながら、競合も増えて行くことも予想されます。皆さんの街にあるホームセンターや家電量販店等も家工房に近い案件の売り方を実施している所が増えてきました。たくさんある選択肢から選んでいただけるよう地域ナンバーワンではなく、地域オンリーワンの店舗を目指し、お客様から頼られ必要とされる店作りを目指したいと思っています。
Q15.この仕事に向いている人はどんな人だと思いますか?
フットワークが軽い人。人と話すことが苦にならない人。
1つ目のフットワークが軽い人を挙げたのは、経験上連絡を下さるお客様の中には、今すぐにでも作業をしてほしいという方も多くおられます。実際に見積もりに伺い、受注し即座に対応できる案件もありますが、大半の場合、作業内容や見積もり作成に伴う下調べ、スケジュールの都合上即座には対応できないことがほとんどです。
しかしながら、ともかく1度伺い依頼内容を確認した上で、例え金額提示や作業日程が後日になったとしても、顏繋ぎを行うことが非常に重要になります。これを怠れば、他の業者に依頼される事も想定されますし、今後受注できたかもしれない案件を取り逃がすことに繋がるかもしれません。
なかなかタイトなスケジュールの中で時間を作ることが困難な時があるかもしれませんが、臨機応変に対応できるフットワークの軽さがポイントだと思います。
2つ目の人と話すことが苦にならない人を挙げたのは、昨今様々な場面において非対面形式で完了することが増えてきました。しかしながら、この事業に関しては対面が必要不可欠になります。
また、ただ単に仕事を受注して、作業を行い、集金をすれば終了では今後の繋がりを獲得することも難しいでしょう。やはりまずは技術もさることながら、自分を気に入ってもらえるよう努めることが大切です。
相手のことを知り、自分のことを知ってもらうには会話が重要な要素となります。決して一方的に話すのではなく、聞き手に回ることも大切ですし、こちらの得たい情報を引き出すことも経験を積めば可能となります。
リピーター獲得要素の一つとなる、自身を売り込み、自分を気に入ってもらう上で非常に重要なポイントだと思います。
Q16.これから起業しようとしている方へのアドバイスやメッセージなどはありますか?
この事業だけに限らず、新たなことに挑戦するには大きな勇気が必要です。起業前に事業計画や、各種数字の明確化、資金調達方法等考えるべきことは多くあると思います。でも、頭で考えているだけでは決して前に進むことはできません。
やる前から成功が約束されていることもこの世の中ほぼないと思います。ゼロから始めて、自分が決めた道が正解だったと振り返った時に思えるのは自分自身にかかっていると思います。私がそうであったように、不安を抱える人も多いでしょう。
未だ開業して1年の私ですが、後悔は一切ありません。もちろん、体力的にしんどいことや、頭を悩ますこともあります。でもそれ以上に今は、需要拡大が見込まれるこの事業において、この先の明るい展望を見据え希望を持って日々業務にあたっています。
まだまだ若輩者の私ですが、色々と悩みをお抱えの皆様が、決意を固め大きな勇気ある一歩を踏み出されることを期待しております。